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「契約管理の品質は投資家の評価にも影響する」 ベンチャー企業での改善事例

「契約管理の品質は投資家の評価にも影響する」 ベンチャー企業での改善事例

LegalForceキャビネ エネルギー

株式会社スリーダムアライアンス

法務室 内部監査室 ゼネラルマネージャー 米国ワシントン州公認会計士 渡邊 友浩 様

POINT
  • 交渉経緯の記録、期限管理に期待して導入
  • 管理業務に人の手を介さないことで内部統制上のリスクも軽減
  • 資金調達や株式上場を見据えるベンチャー企業は早期に導入すべき


バッテリーの技術開発のノウハウを活かし、脱炭素社会の実現に向けた事業に取り組むベンチャー企業、株式会社スリーダムアライアンス。法務責任者として同社に入社し、契約審査、契約書管理の効率化に取り組んだ渡邊様に、LegalForceの導入経緯や活用法を聞きました。

ベンチャー企業の法務業務を4名で担当

貴社の事業内容について教えてください。

当社はもともと、東京都立大学の金村聖志教授とともに、リチウムイオン電池などの劣化につながる「デンドライト」という物質を抑制するセパレータの研究開発を行ってきたベンチャー企業です。現在ではバッテリー関連の開発で培った技術力を活かし、「環境問題を真に解決する」ことをパーパスとして、脱炭素ソリューションとなるプラットフォームの提供に向けて事業を行なっています。

法務部門の組織体制や業務内容について教えてください。

法務室に4人のメンバーが所属しており、主な業務は契約審査や事業部門から受ける法律相談への対応です。私は法務責任者として2022年6月に当社に入社しました。取引・契約関係の業務に加え、取締役会や株主総会の事務局の一員として、法務の知見からアドバイスをする場面も多いです。契約書の類型は業務委託契約、秘密保持契約(NDA)、共同開発契約、ライセンス契約、各種業務提携契約などが多いです。

検索の速度・精度の改善や期限管理に期待して導入

LegalForceキャビネを導入された理由や、導入以前の課題感について教えてください。

締結後の契約書を法務担当者の共有フォルダに格納する運用になっていた契約管理に不便を感じました。検索できるのはファイル名のキーワードくらい。契約の相手先や契約類型、契約時期などでフォルダが階層分けもされておらず、目当ての契約書を探しづらい状態でした。

契約の交渉記録が残っておらず、当時担当したメンバーが退社してしまうと、交渉の経緯を確認する術がありません。契約書の期限管理も人に依存した管理であり、更新もれのリスクを抱えていました。そのため、締結までの交渉と、締結後の契約管理を結びつけ、期限も含めた網羅的な管理をする必要性を感じていました。

当社は上場企業ではありませんが、投資家からデューデリジェンスが入ることもあり、重要な契約の現状ステイタスや契約管理そのものも審査対象になります。その際にすぐに回答が出せないと怪しい会社だと思われてしまう。そうした懸念からツールの導入を検討しました。

デモンストレーションを見て、LegalForceキャビネなら効率よく実効性もある契約管理ができると期待し、導入にいたりました。もともと最終版の契約書をスキャンデータ化する習慣が社内にあったため、今ならまだルール作りも間に合う段階だったことも幸いでした。そのころAI契約審査プラットフォーム「LegalForce」の導入も進めており、LegalForceキャビネも同時に導入することにしました。

LegalForceの導入経緯はこちらの記事をご覧ください>

契約書の所管部門に閲覧権限を付与 更新期限もアラートで管理

実際にLegalForceキャビネを使うときの流れを簡単に教えてください。

契約書の約7割は、電子契約サービスを使って締結しています。締結が完了したら、契約書のスキャンデータをLegalForceキャビネにアップロードします。契約書は所管する事業部門のみに閲覧権限を与え、当事者以外が機密情報に触れないよう設定しています。また契約の更新期限が近づいたら、法務室のメンバーと事業部門にアラートメールを送信するように設定し、更新漏れのリスクを回避しています。とても気に入っている機能です。

更新期限の自動リマインドイメージ 更新期限が迫っている契約書をメールで通知する

自信を持って社外に見せられる契約管理を実現

LegalForceキャビネ導入によって感じている効果を教えてください。

導入前の課題がほとんど解決できました。検索の速度・精度も高まりましたし、LegalForceと併用することで、交渉の経緯を完成版の契約書と紐づけて記録できるようになりました。また更新期限の管理も、適切なタイミングでメール配信ができるため、抜け漏れが減ったと感じています。今なら外部からのデューデリジェンスなどで特定の契約の状況や契約管理の品質をチェックされても、安心して回答できます。

契約書はExcelファイルの台帳で管理するケースもありますが、もしそうしていたら、人手がかかる上にファイルの破損や改ざんなどのリスクを常に抱えてしまっていたと思います。機械的に処理できる業務には、なるべく人の手を介さないほうが内部統制上も望ましいです。限りある予算を割いてでも、LegalForceキャビネを導入して良かったと感じています。

事業部門も巻き込んで活用し、契約に対する当事者意識を養いたい

今後どのようにLegalForceキャビネを活用していきたいですか。

法務室以外の事業部門も含めた契約管理ツールとして活用していきたいです。事業部門には自部門の案件の閲覧権限を付与しているので、契約に関する問題を自分たちで解決できるようになるのが理想的ですね。LegalForceキャビネは、ユーザーに対して契約書の当事者意識を持たせてくれるツールだと思います。

契約管理の品質は投資家からの評価にも影響 早めの導入がおすすめ

資金調達や株式上場を検討する段階に入ったベンチャー企業におすすめしたいです。前述したとおり、その段階に達した企業は、外部からのデューデリジェンスなどで契約管理のレベルを審査される可能性が高まるからです。ベンチャー企業は契約管理まで手が回らず、フォルダ分けすらしていないケースも多いのではないかと思いますが、きちんとした契約管理に基づき、デューデリジェンスの質問項目に対して、迅速・的確な回答をすることで、投資家、特にリスク管理が厳格な海外の投資家に対しては重要なアピールポイントになります。企業が成長局面に入ると契約書の数も増えてくるので、取り返しがつかないタイミングになる前に、LegalForceキャビネを導入することをおすすめします。

(取材日:2022年11月)※掲載内容は取材当時のものです。