契約書管理の基本と手順を紹介!管理ツールはエクセルと契約書管理システムのどちらが良い?

契約書管理の基本と手順を紹介!管理ツールはエクセルと契約書管理システムのどちらが良い?

契約書管理はなぜ必要なのか?

契約書管理は法令やビジネス上の慣習に照らして、信頼に値する契約書チェック業務・ドラフト作成を行うために必要となります。また、業務の効率化や契約書チェック業務・ドラフト業務の質を平準化する観点からも必要といえるでしょう。

契約書管理は、事業活動におけるリスクを適切に管理するためにも必要です。契約書審査だけでなく、有効期限の管理や、あるべき契約書の締結の有無のチェックといった、適切な締結を担保する機能を持つ契約書の管理は、特に訴訟・コンプライアンスに関するリスクや、情報管理リスクの除去に役立ちます。

契約書管理が不十分な場合生まれる可能性のあるリスク

契約書管理がない、あるいは不十分な場合には、次のようなリスクが生じる可能性があります。

契約書の共有漏れが起こる

契約書は、すでに締結済みで有効な契約書が現在あるのか、あるいは有効な契約書がないのか、十分に関係者に共有される必要がありますが、契約書の管理が不適切だと、共有漏れが起こる可能性があります。

共有漏れの結果、締結済みであるのに、ないと思って二重に違った内容の契約書を結ぶことや、契約書があると思って、実際はないことなど、双方ともに取引トラブルの元になることがあります。

契約書の存在とともに、内容も取引の関係者・関係部署に共有されている必要があります。共有漏れがあると、支払うべき金額・注文書をあらためて発行することの要否・クレームの通知の方法など、内容が共有されないと契約上の義務を履行できないことや、契約上の権利を行使できないこともあります。

一元管理をし、契約をリストで管理し、締結状況が一目でわかること、アクセス権があるべき人に付与されて契約書の内容を知ることができることが必要です。

内部統制が不十分となる

契約書の管理が適切にできないと、契約書の有無や契約書内容のチェックができず、法令に違反するリスクや訴訟のリスクに対応することが難しくなります。

例えば、労働契約に規定すべき事項が漏れていると、労働基準法違反となります。また、適切なライセンス契約がないままソフトウェアなどを利用していると、特許権や著作権の侵害を主張され、訴訟に発展するリスクも生じます。

契約書管理は、上場企業においては必須のこととされています。上場審査においては、「コーポレートガバナンスおよび内部管理体制が適切に整備され、機能していること」が求められます。このことは

もう少し具体的に言うと、役員の適正な職務を執行するための体制が整っていることと、内部管理体制が整っていることを意味し、「内部統制」と呼ばれます。

契約書の審査および管理は、内部統制を有効に機能させる観点からも、重要な意味を持っています。契約書の記載事項から重大な法令違反や大きな額の訴訟を引き起こすリスクを見つけること、契約書審査により適切にそれらを予防するようにすること、そして契約書の期限や運用を管理することが、適切な内部統制の実現に繋がるからです。

また、適切な契約書管理により、権限を持っている役員による適切な業務執行を確保することができます。契約締結権限のない者による契約締結の予防、契約に基づかない多額の金銭の出費を伴う業務執行の予防などが可能になるからです。

契約内容のチェックや契約書の管理が適切にできていないと、法令違反や、訴訟のリスクにより企業価値を毀損し、株主に不測の損害をもたらしかねないません。特に上場審査においては、内部統制の整備不十分を理由に、上場が認められない可能性があります。

業務効率が下がる

契約書が一元管理されていないことや、リスト化された台帳がなく、一覧性がないことにより、業務効率は下がってしまいます。

かつて締結された契約書の内容を確認したい場合や、ある契約書が締結済みであるかどうか確認したい場合に、契約書の管理が不適切だと、検索が容易ではなくなるので時間がかかります。

契約書のひな形の確認についても同様に、一元管理と一覧性の確保が適切に行われないと、契約書の作成に時間がかかり、最悪失注などの結果を招くことがあります。

部門において管理をばらばらにしていることや、部門間で勝手な契約書の受け渡しなどがあることも業務効率が下がります。そのため、管理を適切に始めようとしても、なかなか一元化するまでに手間がかかるなどの弊害も生じます。

業務効率を上げるためには、できるだけ早い時期に契約管理を適切な方法で開始する必要があります。

機密情報が漏洩する

契約書は、一般的に機密扱いとされています。契約書情報は、真に閲覧する必要がある関係者、あるいは業務上必要とする一定の役職以上の従業員にのみ開示するなどの取り扱いが行われています。

仮に機密情報である契約書情報が漏れると、下記のようなリスクが生じます。

  • 取引の相手方から契約を解除される
  • 情報漏えいから損害が生じたとして損害賠償を請求される
  • ライバル企業に営業情報が渡ってしまう
  • 機密情報の管理状態が悪いなどとして、入札資格を停止されてしまう

そのため、契約書へのアクセス権を制限して適切に管理し、みだりに多くの人の目に触れないようにする必要があります。

契約書管理のポイント3つ

では、契約書はどのように管理を行えば適切な管理をしているといえるのでしょうか。契約書管理における基本的なポイント3つを紹介します。

一元管理

契約書は、一元管理をする必要があります。そのためには、契約管理規程などによる管理方法と責任部署の明確化を行い、一覧性を確保するための台帳の作成や整備が必要です。

さらに、文書データベースを利用するなどして、検索性を高めておくとよいでしょう。検索性を高めて必要な時にいつでも閲覧できるようにして、さらに保管も可能な限り簡単にできるようにしておくと、契約書関連業務の効率性が高くなります。その結果、契約管理規程の遵守もしやすくなります。

契約書管理のポイント

期限管理

契約書を管理するに当たっては、「有効期限」と「保存期限」という2種類の期限の管理が必要です。
契約の有効期限の管理は、例えば自動更新の契約について、更新するかどうかを取捨選択して判断するために必要となります。有効期限の管理をしておかないと、解約すべき契約が自動更新となってしまい、経済的な損失に繋がるおそれがあります。

契約の終了時期を見て、次回の取引のための交渉を行っておく・外部委託業者の機密保持契約が空白にならないように、必ず更新しておくなど、契約の有効期間にあわせた新しい契約の準備や、契約書面の作成を行うことも必要です。

また、契約書には法令で定められた保存期限があります。例えば、法人税法によると、契約書は原則として作成日・受領日の属する事業年度分の申告書提出期限の翌日から7年以上保存することが必要です。また、満期・契約有効期限切れとなった契約書は、民法の消滅時効にあわせて、契約終了から10年以上は保存しておくのがよいでしょう。

これらの保存期限の起算日と、保存期限を管理しておくことにより、業務上必要となり得る契約書の記録を残しつつ、保管する必要のない紙の契約書や契約書データは廃棄・削除することができるため、契約書データを保管するコストを適正化することができます。

期限の管理

期限を管理することができる仕組み作りも重要で、データベース・ソフトウェアを使い、廃棄期限を管理して、必要な人に知らせるアラートメールなどを送信できるようにすると、必要な解約手続きや契約書の作成・データ等の削除がより確実になります。

アクセス制御

契約書のアクセス制御は、機密情報である契約書情報を守るうえで重要です。真に業務上必要のある人にアクセス権を限定し、他の従業員などの目に触れないようにします。アクセス権を適切に設定することで、情報漏えいのリスクを低減し、個人情報保護法や機密保持契約への違反を予防することができます。

契約書の管理方法

契約書の管理方法について、具体的な方法を以下でご紹介します。

所管部門と責任者の決定

契約書管理を行うには、所管部門・責任者を決めておきます。一元管理を行う責任部署を決めておく必要があること、また情報管理の観点からは責任の所在を明確にする必要があることがその理由です。

所管部署は、多くの場合法務部や総務部です。法務部は通常契約書の審査部署であり、管理のしやすさ・効率性を重視し、普通は契約書管理も兼務しています。しかし、業務量から総務部と分担する企業、あるいは法務部はないが総務部が法務部と同じ機能を担っている企業などがあります。

契約書管理台帳の作成

契約書は、管理台帳を作成し、一覧管理ができるようにします。最低限、台帳で記載しておきたい項目と、記載の要領は、以下の表のとおりです。

契約書名称 契約書のタイトルを記載します。
契約書番号 整理番号をつけておくと、整理に役立ちます。また、契約書のタイトルだけだと、同じタイトルの契約書が並び、わかりにくくなります。
契約書種類 機密保持契約・基本契約・業務委託契約・ライセンス契約・売買契約・人材紹介契約など。エクセル等の台帳であれば、会社でよくある契約書の種類に合わせ、入力用のプルダウンメニューをつくると便利です。
契約内容 契約書の簡単な内容の要約を記載します。
主管部署 例)IT部・営業本部など、部署名を記載します。
担当者 契約の担当者の名前を記載します。
原契約 覚書や、更新の場合に、元となった契約書=原契約について特定できる程度に記載します。
契約開始日 契約有効期間の始期を記載します。
契約終了日 契約有効期間の終期を記載します。
自動更新の有無と更新日 自動更新の有無と、更新時期を記載します。
保存期限 いつまで保存しておくべきか、期限を記載しておきます。
契約解除通告期限 自動更新契約の場合に、解約するならいつまでに通告するべきか、記載します。
有効・無効 有効な契約書か、有効期限がすぎた無効な契約書か、記載します。

契約書の棚卸と台帳への入力

台帳へ漏れなく契約書を記載しておくためには、現在保管されている契約書の棚卸をし、それらを台帳に紐づけていく必要があります。台帳には全件を掲載する必要が原則としてありますが、管理の手間があまりにかかりすぎるのも業務の効率を落とす可能性があります。

そこで、契約書の数が多い場合には、有効な契約書のみを記載する・契約書の種類を絞るなどしてプライオリティをつけておくのが適切です。

また棚卸は定期的に行い、契約書の仕分けや廃棄を行い、管理の手間を可能な限り少なくすることや、管理のコストがかかりすぎないようにすることが合理的です。

契約書管理ルールの作成

契約書管理規程は、契約書の管理の仕方を定めるルールです。ルールがないと、契約書を部署ごとで保管、ばらばらの管理方法をとるなど、リスク管理・情報管理・効率性の観点から望ましくない方法になりがちです。

統一的なルールと契約書の管理責任者、そして一元管理を行うことを規程で定め、さらにルールの見直しや改訂は定期的に行うべきことも定めておきましょう。管理の仕方が永久不滅に正しいことはあり得ませんし、PDCAサイクルに乗せて、よりよい管理方法をとるよう、改善することが必要と考えられるからです。

文書には「ライフサイクル」があります。契約書にもライフサイクルがありますので、会社の文書として契約書が作成される場面~保存・廃棄まで、文書の一生にあわせた管理方法を規定しておきます。

下記は記載すべき主なルールです。

契約締結・押印

契約書は誰が作成し、誰が契約書審査を行うのか、またひな形の取り扱いルールや押印申請先・押印担当部署・申請方法などを定めます。

保管

保管は原本とコピー、それぞれどこでどういう形式で行うのか、また契約締結作業前後などの限られた場面で一時保管・コピーの保管を行う以外は、各部署で分散して保管することを原則として禁止することなど、契約書保管に関して「すべきこと・してはいけないこと」を具体的に定めておきます。

保存

起算日とともに、契約書の保存期限や、保存の形式などを定めておきます。契約書の種類ごとに保存期限を規程内の別表にまとめておくなどすると、わかりやすくなります。

廃棄・削除

保存期限を経過すると廃棄してよいこと、また、廃棄の方法や、廃棄の申請方法などを定めておきます。

廃棄の際には情報の安全な管理の観点から、完全に廃棄することが必要ですので、廃棄・削除の方法をついては紙の契約書の場合・契約書データの場合それぞれに、具体的な手段も含めて規定を設けておきましょう。

契約書管理にエクセルを利用するメリットとデメリット

契約書管理には、低コストであることから、台帳としてエクセルを利用する企業も多いようですが、エクセルでの管理にはデメリットもあるので、留意しておきましょう。ここでは、エクセルを使うことのメリットとデメリットを紹介します。

【メリット】ローコストで導入できる

エクセルはすでに導入している企業も多いことから、ローコストで台帳を導入できる点がメリットです。さらに、エクセルはオフィスワーカーであれば多くの人が使えるため、社員教育の手間の多くが削減できます。その結果、契約書管理に関する教育・研修にかけるコストも低く抑えられます。

【デメリット】管理コストが重い

エクセルでは契約書の期限や自動更新の有無といった項目を都度人の手で入力、管理をすべて人力で行う必要があります。さらに、定期的な台帳の確認作業が発生するため、人件費を中心とする管理コストが重くなりがちです。

効率的な契約書管理には契約書管理システムがおすすめ

契約書の管理には、契約書管理システムを利用することをおすすめします。

契約書管理システムは、「契約書管理支援ツール」であり。契約書のアップロードによるデータベースの自動生成機能や検索機能、更新期限のアラート機能、閲覧権限の付与機能といった利便性をもつため、契約書関連業務の効率化やリスクマネジメントにおいて大きな利益を持っています。
※契約書管理システムの機能は製品により異なります。

何人もの人が人手で入力して管理する方式でかかる人件費等のコストと比較すると、一部の作業は自動で行ってくれる契約書管理システムのほうが、はるかに安価に導入・運用することができる可能性があります。

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この記事のまとめ

「契約書管理の基本と手順を紹介!管理ツールはエクセルと契約書管理システムのどちらが良い?」の記事は以上です。

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