【アナウンサー→弁護士へ】菊間千乃弁護士が語る! 理想のキャリアの掴み方【LEGAL WOMEN’S FORCE 2022レポート】

2022年3月8日、株式会社LegalForceは、企業法務で活躍する女性の力にスポットをあてたイベント「LEGAL WOMEN’S FORCE 2022 ―法務最前線で活躍する、女性の力―」を開催しました。

LegalForceコラムでは、本イベントの内容を前編・後編にわけて、ダイジェストでレポートします。

前編:【基調講演】「120%」で突き抜ける、理想のキャリアの掴み方
後編:【トークセッション1】変化するライフステージ×法務プロフェッショナルの挑戦
   【トークセッション2】法務最前線で活躍する法務部門長の「頭の中」

※本記事は前編です。後編をお読みなりたい方は「こちら」からご覧ください。

スピーカープロファイル

菊間千乃 氏
弁護士法人松尾綜合法律事務所 弁護士

早稲田大学法学部卒業後、フジテレビアナウンサーとして活躍。その後、大宮法科大学院大学(夜間主)を経て、2012年に弁護士に転身。紛争解決、一般企業法務、コーポレートガバナンス等の分野を中心に幅広く手がけている。

基調講演のポイント

アナウンサーから弁護士へ、大きな転身を遂げた菊間千乃氏。経歴だけを見ると、そのキャリアの築き方は誰もが真似できることではないと感じるかもしれません。

しかし菊間氏は、「キャリアを切り開いてきた鍵は、アナウンサー時代も弁護士時代も変わらず、目の前の仕事に『120%』の努力で応え続ける日々の積み重ねにあった」と語ります。

本基調講演では、アナウンサーから弁護士というキャリアを実現した菊間氏の、

  • 「一見無理そうなこと」でも実現可能に変える「120%」の仕事術
  • 理想のキャリアを掴み取るためのヒント

をお話しいただきました。

理想のキャリアを掴むためにすべき、たった一つのこと

まず、本基調講演のタイトルにある「“理想のキャリア”って何?」というところからお話しします。
結論から話しますと、「理想のキャリアを掴むためには、自分の心の声を聴く」ことが必要です。「何をどう感じるか」は人それぞれであり、私の理想と皆さんの理想は当然異なります。そのため、

  • 自分にとっての幸せって何だろう?
  • 自分にとってのやりがいって何だろう?
  • 自分は何をしたいんだろう?

と自分の心の声を聴き、つきつめて考えていく必要があります。

考えるにあたり、いろいろな人の話を参考にすることはもちろんかまいません。ただ、「最終的に答えを出すのは自分」ということを忘れてはいけません。

「どっちを選べば正解ですか?」→「人生に正解はありません」

若い方とお話しするとよく、「どっちを選べば正解ですか?」「人生に正解はあるんでしょうか?」という質問を受けます。

はっきりいいますと、人生に正解はありません。自分で選んだ道を正解にしていく——。それが人生じゃないかなと思っています。

現代は先行きが不透明で、「これからどうなっちゃうんだろう?」と不安を感じている方が多いようですが、発想を転換して先行き不透明であることを楽しんでほしいです。

考えてみてください。何もかも決まっていて、そのレールを歩き続ける人生が楽しいでしょうか。

流れに身を任せることが大事なときもありますが、いまは「どういう人生を歩みたいのか」を絶えず自問自答して、自分の人生を自分の足で歩んでいく時代です。

自分にとっての「理想の状態」をみつけよう

ここで少し、私の理想の状態についてお話しします。私の理想は「毎日楽しく生きたい!」これだけです。

「今日はどんな案件があるんだろう?」「どんなクライアントに出会えるんだろう?」とワクワクしながら仕事場に行く。そして、家に帰ってきたら、「あ~今日もすっごく楽しかった」と思って、5秒で寝る。

こういう生活が、私の楽しい状態です。

「楽しい」というのを別の表現にすると、次のように言い換えることもできます。

  • 自分が笑顔でいられる
  • 誰かに必要とされる
  • 自分とかかわった人が笑顔でいてくれる

こういう状態に常に自分をおいておきたいと考えています。

皆さんも「自分がどういう状態だったら、ウキウキ・ワクワクするのか」を考えながら、自分の理想をみつけてほしいと思います。

いま振り返ると、私は小さいから「こうなりたい」という目的意識がはっきりしている子どもでした。

―菊間氏が学生時代に決めたこと―

私はいま、これらをすべて叶えていますが、だからといって「常にハッピーなんですか?」といわれるとそうではないです。外から見たらキラキラしていて楽しそうでいいな、と思われるかもしれませんが、悩みや葛藤は常にあります。

ではなぜ「悩みや葛藤があっても、幸せ」と思えるのかというと、それはひとえに自分で選択した人生だからということにつきます。

どういうキャリア・どういう職業を選択したかではなく、自分がやりたいと思ったことをやれている、つまり、自分で選択しているんだという感覚をもつことが幸せの根源だと思っています。

「自分で選択したという感覚」が大事な理由

選択、選択、としつこいくらい繰り返していますが、なぜここまで強調するのかというと、「自分で選択して行動すること」と「やりがい・喜び」の感情は正比例するからです。

―自分で選択する数が増えると、やりがい・喜びも増えるー

どういうキャリアが理想かという話に戻りますが、選択肢が多い現代において、「自分の理想がわからない」と悩む方も多いようです。

そういう場合、小さな選択からはじめることをおすすめします。服を着るのでも、物を買うのでも、人間は日々、無意識に選択を繰り返しています。こうした無意識の小さな選択について、「いま私は自らこれを選んでいる」と意識化できるようになると、当たり前の日常が当たり前の日常でなくなっていきます。楽しくキラキラしていきます。

それができるようになってから、キャリアという大きなテーマに臨めばいいと思います。

本当に耳を傾けるべきは「自分の心の声」

自分で選択するときに大事なのは、「自分の基準」をもつことです。現代は情報があふれているので、過去の統計や他人の意見・評価など、自分以外の何かが基準になってしまうケースが多いようです。ただ、

  • これからの時代、優秀な人が付くべき職業は〇〇だ
  • こういう会社で働くことが人生の成功だ
  • 〇〇になれないやつは、人生終わってる

といった世間の声に耳を傾けて選ぶというのだけは、絶対にやめてほしいです。それは自分の選択ではありません。

本当に耳を傾けるべきは、自分の心の声です。自分の心を基準にやりたい方向に進む。そうしないと、良い会社に入ろうと、世間ではうらやましがられるキャリアを歩もうと、「なんか違う」「仕事ってつまらない」となってしまうと思います。

自分の進む方向に、周りからの共感は必要ありません。自分の心に従って、自分がやりたいと思ったら進めばいいんです。

自分の心の声を聴くため“喜怒哀楽”に注目しよう

自分の「心の声を聴くこと」の第一歩は、「自分の喜怒哀楽」に丁寧に注目することです。自分の感情が揺れ動いたときに、その感情をそのままにしないで、「なんで自分はこう感じたの?」と感情を掘りさげることで、自分の基準が少しずつ見えてくると思います。

掘り下げるのは、過去の喜怒哀楽でもかまいません。自分が子どもの頃に大事にしていたこと・悲しかった経験など、自分の感情が大きく動いた経験を深掘りしてみてください。

「与えられた仕事」が楽しくない場合の対処法

「自分の心の声に従って生きよう!」という話をすると、

「弁護士は自営業だし、自分のやりたい仕事だけをできますよね。でも会社員は自由に選択できないんですよ」

という反論をいただくことがあります。その気持ちはとても分かります。

私もアナウンサー時代は会社員であり、「やらされている感」を感じていたこともありました。自分の同期がいろいろな番組に出演している一方で、自分が街頭インタビューしても手しか映らなかったりして、「アナウンサーってもっと華やかな仕事だと思ってたのに…」と悩んだことがあったんです。

そんなとき、フジテレビのある女性プロデューサーの方に会って、

「与えられた仕事だと思っていたら、いつまでも与えられているままだよ。与えられた仕事をいかに能動的に自分らしく120%でできるかを考えないと何も変わらないよ」

という言葉をいただいたんです。当時の23歳の私の心にグサッっときました。

この言葉をきっかけに、「じゃあ自分がつまらないと思っている仕事は、どうやったら楽しくなるだろう?」と考えるようになりました。そして、「ドキュメンタリーの企画書をかいてみるか」と思って提出してみたところ、「いいじゃん、やってみよう!」と言ってもらえて、自分の企画がスタートしました。

つまらないと思っていた仕事にプラスして、ドキュメンタリーの取材対応が入ったので、休みがなくなりました。でも、やりたいことができている状態が生まれたことで、いままでつまらないと思っていた仕事まで楽しくなったんです。

私がここから学んだのは、たとえ与えられた仕事であっても“どうやったら能動的に楽しくやっていけるんだろう?”と考えて、選択し行動することはできるということです。

法務の仕事をより楽しく感じるためには何をすべき?

本日は法務の方にお集まりいただいているということで、これまでの話を法務の仕事に落とし込んで考えてみたいと思います。

たまに、法務部の方から「法務部は細かいことばかりでうるさいと言われる…」「他部署の方が聞く耳をもってくれない…」と相談を受けることがあります。

私はそう悩んだときにこそ、

「どうやったらわかってくれるんだろう?」

「どういう伝え方をしたら、重要性が伝わるんだろう?」

と視点を変えてみると、仕事が楽しくなってくると思っています。

「法務は細かいことばかりでつまらない」と言われがちな仕事の一つに、コンプライアンス研修があります。せっかく研修をしても、眠たそうにしていたり、面白くないという顔をされたりするので、やりがいを見いだせないと思うかもしれません。でも、そういうときに「じゃあ、どうやったら楽しい研修にできるんだろう?」と考えて行動することが大事です。

参考として、私がコンプライアンス研修を楽しくするために行った取り組みを紹介します。

―菊間氏がコンプライアンス研修で行った工夫の一例:オレンジジュースゲーム—

オレンジジュースゲームは、同調圧力をリアルで体感してもらい、「他人と異なる意見を言えるかどうか」を試すゲームです。こうしたゲームを研修の冒頭にいれ、同調圧力に負けないことがコンプライアンスでも重要という主張につなげていきました。こういった少しの工夫からでも、楽しさが生まれていきます。

「願望」と「目標」の決定的な違い

最後に、目標を立てることの重要性についてお話します。

まず、「願望」と「目標」は違うものです。願望は“こうなれたらいいな”と思うものですが、目標は勝ち取るものであり、戦略を立てることが大切です。

願望|10年後こうなりたいなぁ…

目標|10年後こういう状態でいる!

ただ、目標を立てたとしても、実際はそのとおりに進まないことのほうが多いです。私も日々の誘惑に負け、自分が立てた目標どおりに進行することはできませんでした。

―菊間氏の予定と現実―

しかし目標どおりにいかなくても、目標をもつこと自体が大切です。目標をもつと、人生の要所で、「目標忘れてない?」「こんなんじゃだめだ」「やらないと!」といったように、自分を奮い立たせることができます。

どんなことにも、失敗はつきものです。1回で成功することのほうが難しいです。私は、大学入試も、フジテレビの入社試験も、司法試験も、すべて1回落ちました。毎回失敗しました。でも、失敗しているからこそ学びがあって、自分なりの戦略・勝ちパターンが見えてきました。

終わりに

「自分の人生の主人公は自分」です。自分の人生を一番真剣に考えているのも自分自身です。悲しかったこと、悔しかったこと、嬉しかったことすべて見てきているのは、自分のみです。

人生がつまらないと思っていたとしたら、それは自分がつまらなくしているだけです。逆をいえば、自分の人生をエンジョイしようと思った瞬間からエンジョイできるということです。

大きな壁を乗り越えたら明るい人生が待っているのではなく、「明るく乗り越えることこそが人生」だと思います。

ご清聴ありがとうございました。

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