この記事のまとめ
この記事では、契約書レビュー業務の流れ、契約書レビューにおける留意点、などについて解説します。

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目次
相手方契約書を受け取った後の契約書レビュー業務の流れ
契約書には、自社で作成した契約書と取引の相手方が作成した契約書の2種類あります。
今回は、取引の相手方が作成した契約書を受け取った場合に、契約締結に向けてどのようにその契約を チェック(レビュー)していけばよいか、契約書レビュー業務の流れについて説明します。
①契約内容の把握
取引において、自社作成の契約書を使用する場合は、契約書にどのようなことが規定されているのか既に把握できている状態ですので、 相手方が修正してきた箇所のみ検討すれば良いのですが、相手方が作成した契約書を使用する場合には、 その契約書にどのようなことが規定されているのかを把握することからスタートします。
何についての契約か
まず、具体的にどのような取引を行おうとしているのか、そもそも契約書を作成する必要があるのか、など、契約を締結する目的を把握します。
企業活動においては、以下のような様々な取引が行われます。
- 新製品や新システムの共同開発を検討するために、相手方と情報交換したい
- 社員が増えたため、オフィスを借りたい
- 自社が受注した開発の一部を外注したい
- 作業効率化のためにツールを導入したい
取引の内容によっては、契約書への記載が法律上要求される事項などがある場合もありますので、 その取引に必要な取り決めを契約に過不足なく落とし込むために、取引の内容をきちんと把握しましょう。
契約の目的
次に、契約を締結をすることで自社が目指す契約の目的(契約で自社が得られる効果や価値)を明確にします。
例えば、「新製品や新システムの共同開発を検討するために、相手方と情報交換したい」場合、相手方に自社の情報を開示することがありますが、 開示した相手方に自社の秘密情報を漏洩されたり不正利用されてしまうと、自社に多大な損害が生じる可能性があります。
そこで、相手方と「秘密保持契約」を締結することで、秘密情報の漏洩や不正利用を防止したり、相手方に起因して自社に損害が発生した場合の賠償の範囲を予め取り決めておくことができます。
また、「社員が増えたため、オフィスを借りたい」場合など、賃貸物件を借りる場合には、その物件のオーナーとの間で「賃貸借契約書」を締結することで、 物件の状態や入居中のルールなどを事前に確認し、入居後や退去時のトラブルを回避することができます。
このように自社が目指す契約の目的(効果や価値)を明確にしておくことで、自社が目指す契約の目的を阻害するような契約内容を炙り出していくことが可能となります。
契約期間や契約金額
取引に必要な契約期間や契約金額となっているか、確認することも重要です。
「自社が受注した開発の一部を外注したい」場合など、システムの開発に関する契約であれば、 開発に必要な期間が確保されているか、自社の支払金額や支払時期がいつかを把握します。
②リスクの抽出
契約内容を把握することができたら、契約内容の中に自社にとって問題となる箇所がないか、リスクを抽出していきます。
目的物と対価は適切か
契約内容が曖昧に記載されていると、契約当事者双方が自社に都合の良いように解釈してしまい、後々のトラブルの引き金となります。
特に、取引における目的物や対価が曖昧な表現となっていると、双方が想定していた契約により得られる目的物や対価とズレが生じ、紛争につながるおそれが出てきます。
目的物とは、例えばシステムの開発に関する契約であれば、その開発業務により生じるシステムおよびそれに付随するもの(成果物)などであり、 契約書でその仕様を明確に特定しておく必要があります。
対価については、月額費用なのか単価なのか、支払期限や方法が自社の想定と合致しているか、などを確認する必要があります。
必要な条項は網羅されているか、不要な条項がないか
次に、取引において規定しておくべき必要な条項が網羅されているか、または規定しない方がよい不必要な条項がないか、 違法・無効な条件が含まれていないか、を細かく確認していきます。
取引の内容によって契約書に明記すべき項目が異なってきますので、その取引に適切な契約内容となっているかを慎重に確認する必要があります。
ここでは、その取引に適用される法令を調査したり、過去の類似契約や自社のひな形と比較するなどのリサーチをする必要があります。
例えば、システム開発業務を外部に委託する場合、委託側と受託側に一定以上の資本金規模の差がある場合は、 下請代金支払遅延等防止法(下請法)が適用される可能性があります。すると、対価の支払時期など、 書面で明示しておかなければならない事項があるため、それらの事項が明確に記載されているかについて、十分に確認する必要があります。
自社に不利な条項はないか
そして、リスクの抽出においては、契約内容に自社が重い責任を負う内容が含まれていないか、 自社のビジネス上の制約となる条項がないか、など自社に不利な条項がないかを確認することも重要です。
例えば、自社が開発した成果物や開発業務に関連して生じた知的財産権について、全て相手方に帰属する内容の条項になっていた場合、 その開発業務に着手する前から自社が保有していた知的財産権のうち、その開発業務により生じた成果物に関連するものについても、 その後の自社の開発に自由に利用できなくなってしまう可能性があります。
また、自社にのみ一方的に義務が課せられている条項や、相手方にのみ有利な内容となっている条項も、 自社にとって不利な条項となりますので、全てリスクとして把握する必要があります。
③修正案の作成
契約内容およびその契約に潜むリスクが全て把握できたら、修正案の検討に入ります。
誤字脱字の修正
誤字脱字については、「てにをは」一字で文章の意味が変わってくる場合もあり得るため、全文を通して抜け漏れがないようにチェックをしていきます。
特に、「甲」「乙」などの当事者が逆になってしまっている場合もよく見られるため、注意が必要です。
甲と乙を逆にしてしまうのは、時々見かけますよね・・・。
権利、義務の主体が逆になってしまうので、これは注意しなくてはいけませんね。
不明確な箇所の修正
条件や範囲などが不明確な表現となっている箇所は、しっかり明確な表現となるように修正していきます。
曖昧な箇所を明確化することで、双方の認識の不一致をなくしていくことが重要です。
自社にとって不利な条項の修正
自社にのみ一方的に義務が課せられている条項や、相手方にのみ有利な内容となっている条項は、 自社にとって不利な内容となっている箇所を削除したり、片務的な条項を双務的な条項に修正していきます。
修正の際には、過去の類似契約や自社のひな形から参考となる条文案を探しましょう。
④修正案の確認
修正案を作成したら、最終的な確認を行っていきます。
フロント部門との認識のすり合わせ
法務部門では判断できないビジネス観点での意見や、契約に至った背景、相手方との関係性などをヒアリングし、 修正案が現実的な内容となっているか、現場の担当者と認識を合わせていきます。
契約は今後の相手方との関係性にも大きく影響するものであるため、自社の利益だけでなく相手方にとっても受け入れやすい内容とする必要があります。
分かりやすく修正されているか
最後に、相手方が理解しやすい修正となっているか見直します。全体を通しての判読性にも十分注意しましょう。
場合によっては、修正の意図や要望を、コメント機能などを利用して相手方へ伝えることも有用です。
Wordのコメント機能を使って、相手方に修正の意図などを伝えることが多いです。
そのほか、メールに修正箇所の説明を記載する、といった方法も使われているようですね。
契約書チェックサービス「LegalForce」の主な機能
LegalForceは、契約書レビューにおけるリスクの洗い出しから、リサーチ、修正作業までを、 「ミスなく・すばやく・快適に」行っていただくための様々な機能を備えた契約書レビュー支援ソフトウェアです。
機能一覧
LegalForceには以下のような機能があります。
- 自動レビュー
- AI が瞬時に契約書に潜む不利な条文や欠落条項、抜け漏れを指摘し、見落としを防ぎます。条文例や解説まで表示するので、条文の修正に悩むことはありません。
- 条文検索
- キーワードを入力するだけで、自社のひな形やレビュー済みの過去の契約書から欲しい条文を瞬時に検索。リサーチの手間を大幅に削減します。
- 契約書ひな形
- 書式集法律事務所 ZeLo・外国法共同事業が作成する書式・ひな形約 300類型、 400 点以上を搭載。条文単位での引用も、ファイルのダウンロードも、使い方は自由です。
LegalForceでできること・できないこと
LegalForceでは、契約書レビューにおける3つの課題「精度」「再現性」「スピード」を解決することができます。
従来は契約書レビュー担当者の経験と知識のみが頼りだったところ、LegalForceを導入することで、担当者の経験と知識に加えて、AIによるリスク抽出や社内の知見の共有が可能となります。
これにより、契約書レビュー業務における、調査や確認にかける時間を短縮でき、レビューのクオリティーやレビュー時の判断基準を社内で統一させることもできます。
契約に至る背景の理解や最終的なビジネス判断は、人間の目を通す必要がありますが、その判断のためにLegalForceが大きな手助けとなるでしょう。

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