この記事のまとめ
この記事では、「契約書をWordで作成する際に気をつけるべきポイントや便利なWord機能」について解説します。
目次
契約書をWordで作成する主な理由
契約書を作成する際にはどんなツールを使えばいいですか?
一般的には、Wordというアプリケーションを使う場合が多いですね。
一般に契約書を作成する場合には、Microsoftが開発・販売しているビジネス向けのアプリケーションの 「Word」を使用する場合が多いです。
その理由としては、①使い慣れたアプリケーションであること、②数多くの会社で利用されていること、 ③履歴記録の管理、コメントや比較など校正機能が充実していること、などが挙げられます。
Wordで契約書を作成・レビューする際に気をつけるべきこと
契約書作成においては、内容はもちろん重要ですが、契約書が読みやすく美しく書かれていることも大切です。 内容が決まった場合には、以下の事項などをチェックすることが重要です。
- 一文が短く理解しやすい文章であること
- 主語・述語が対応していること
- 条文番号がそろっていること
- 表記ゆれ・誤字脱字がないこと
- インデント・文字ポイント・字体などレイアウトのズレがないこと
次に契約書のレビューについてですが、交渉中の契約書内容を修正したにも関わらず、修正履歴を残さず、相手方に修正した箇所を伝え忘れてしまったりしたら、後々トラブルに発展してしまいかねません。
また、故意にではなくても、相手方が修正した契約書について、修正履歴付きの修正と、修正履歴を付さない修正が混在している場合もありますが、このような場合に、変更履歴にない修正のチェック漏れがないように気をつける必要があります。
このように、 契約書のレビューにおいては、変更履歴がきちんと残ること、変更履歴にない修正のチェック漏れがないこと、などが重要になります。
Wordで契約書を作成・レビューする際に使えるおすすめ機能10個
コメント機能
Wordには、既に書いた文章に吹き出しをつけてコメントを記入できる「コメント機能」が あります。修正を加えた箇所について、その修正の意図や趣旨を詳しく伝えて交渉をスムーズに進めるため、 コメントを付記しておきたい場合に使用します。
コメント機能を使用したい場合には、コメントを入れたい対象部分や文字列をドラッグし、 ①メニューの「挿入」→「コメント」、②右クリックから「新しいコメント」、もしくは③「校閲」タブ→ 「新しいコメント」のいずれかの方法で使用します。
コメントに対してコメントを返信することもできます。既に存在するコメントに関連する話題について、 新しいコメントのスレッドを立てるのは見づらくなってしまうため、コメントに対する返信で対応しましょう。
コメントの表示の方法は、右余白への吹き出し形式と別添形式がありますが、 これはユーザー自身が設定できます。
変更履歴機能
Wordには、ファイルに誰がどのような文字や設定を追加または削除したのか、 履歴を記録する「変更履歴機能」があります。
変更履歴機能を使用する場合には、「校閲」タブ→「変更履歴の記録」を選択します。
新規ファイルから契約書を作成するデフォルト状態では、この機能の設定は「オフ」になっています。
自分が作成した契約書ファイルを相手方に送信する際、または相手方から受け取ったファイルに 修正を加える際には、必ず「変更履歴の記録」を「オン」にしておきましょう。
比較機能
Wordには、元の文章と修正後の文章ファイルを読み込ませて、 変更点を洗い出すことができる「比較機能」があります。
比較機能を使用する場合には、「校閲」のタブから、「比較」をクリックし、 ポップアップしたメニューからさらに「比較」を選択します。その後、元の文章と 修正後の文章ファイルを選択します。
比較機能を使用することで、修正後の文章と元の文章との変更点が変更履歴となって表示されます。
「新しいウィンドウを開く」機能
Wordでは、同じ契約書のコピーを開いて同時に参照できる「新しいウィンドウを開く」機能があります。
同じ契約書のファイルを上下にスクロールして前後を確認していると、 見落としたり間違ったりするおそれがあります。
この機能を使い、同じ契約書の異なる箇所を同時に参照しながら作業することで、 これを防ぐことができ、また作業にかかる時間も短縮できます。
「新しいウィンドウを開く」機能を使用する場合には、「表示」タブから 「新しいウィンドウを開く」を選択します。
アウトライン機能
Wordには、段落番号を自動で付けてくれる「段落番号機能」と、段落に階層構造を持たせる「アウトライン機能」があります。
「段落番号」「アウトライン」を使って契約書を作成すると、条文番号を差し替えたりしても、番号を自動的に再採番してくれるので、条文番号や項番号のずれ、抜け漏れを防ぐことができます。
「段落番号」機能で、「第●条」を自動で付けるよう設定する、などの使い方が便利です。
「段落番号」機能を使用する場合には、「ホーム」タブの「段落」グループから、「段落番号」を選択します。
「アウトライン」機能を使用する場合には、「ホーム」タブの「段落」グループから、「アウトライン」を選択します。
改行と段落
改行と段落変更は以外と違いを認識していない人も多いです。
段落を変えたい場合は、[Enterキー]を押します。
段落は変えずに、行を改めたい場合は、[Shift+Enterキー]を押します。
インデント機能
Wordには、段落の文字の左端(開始位置)や文字の右端(終了位置)について、 段落単位で揃えていくための設定である「インデント機能」があります。
項番号を振った次の行の行頭を揃える際など、改行とスペースで無理やり揃えようとすることはせず、 インデント機能を用いて揃えるようにしましょう。
インデント機能を使用する場合には、段落の頭(左の余白からのスペース)や行末 (右の余白からのスペース)を揃えたい文字列をドラッグし、「レイアウト」タブの「インデント」にて、 揃えたい方に数値を入れて利用します。
ルーラー機能
Wordには、前述したインデントなどの設定状況を把握し、調整するための「ルーラー機能」があります。文書表示ウィンドウの直上に表示されるものです。
ルーラーを設定するためには、「表示」タブの「ルーラー」をチェックすることで利用することができます。
このルーラー機能を使用することでインデントを調整することができます。
ルーラー機能を設定すると、Word上部にメモリが表示され、インデントマーカーが使用できるようになります。
左のインデントマーカーは、①1行目インデント、②ぶら下げインデント、 ③左インデント、右のインデントマーカーは、④右インデントの構成となっています。
①1行目インデントは、段落の1行目だけの開始位置を右側に下げたいときに使います。
②ぶら下げインデントは、段落の2行目以降の開始位置を右側に下げたいときに使います。
③左インデントは、段落の文字の開始位置を右側に下げたいときに使います。
④右インデントは、段落の文字の終了位置を左側にずらしたいときに使います。
各種のマーカーの機能に沿って、インデントを調整しましょう。
書式コピー機能
Wordには、すでにそのファイル上の段落・文字列などに設定されている書式設定を、 別の段落・文字列などに反映させることができる「書式コピー機能」があります。
自分自身が書式設定に詳しくなくても、この機能さえ覚えておけば、相手方が設定した書式を そのままコピーして使用することができます。
コピーしたい書式設定がされている文字列などをドラッグし、「ホーム」タブ→「書式コピー」 のアイコンをクリックします。
その後、コピー対象の文章などを再度ドラッグします。
また、書式のコピーおよび貼り付けは、それぞれ[Ctrl+Shift+C]、 [Ctrl+Shift+V]のショートカットキーを使用することもできますので、覚えておくと便利です。
ページ区切り機能
Wordには、ページを切りの良いところで区切ることができる「ページ区切り機能」があります。
意味のない改行や空白を入れることで無理やり次のページに送ろうとするのはやめましょう。
ページ区切り機能を使用する場合には、「挿入」タブの「ページ区切り」で利用することができます。
また、ページ区切りは、[Ctrl+Enter]のショートカットキーを使用することもできますので、 覚えておくと便利です。
AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」で契約書作成
AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」は、Wordアドイン機能を用いてWordファイル上で契約書の自動レビュー、契約書の条文検索などを行うことができます。 契約書を作成、レビューする際は、是非、LegalForceを利用してみてください。
この記事のまとめ
契約書レビューをするときに知っておきたいWordの使い方・機能の解説は以上です。
他にもWordには様々な機能がありますので、上手に使って更に効率的な契約書レビューを目指していきましょう!