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一人法務から5名のチームへ ナレッジの共有や品質の平準化に役立てる

一人法務から5名のチームへ ナレッジの共有や品質の平準化に役立てる

LegalForce 物流

株式会社キユーソー流通システム

経営推進本部 総務部 法務課 課長 江口 乃士 様 福山 亜沙美 様

POINT
  • メンバー増員のタイミングで、ノウハウの共有や教育に期待して導入
  • 事業部への返答が3営業日から即日に短縮
  • 組織の規模に合わせて活用することができる

食品物流のサービスを通じ、人と食を笑顔で結びつける、株式会社キユーソー流通システム。多岐に渡る業務で同社を支える法務課の江口様、福山様に、LegalForceの導入経緯や活用のポイントを聞きました。

月50件の契約審査を行いつつ、各自が専門性を磨く法務課

貴社の事業内容について教えてください。

経営推進本部 総務部 法務課 課長 江口 乃士 様

江口様 当社は食品メーカーのキユーピー株式会社の倉庫部門が分離・独立する形で、1966年に設立された会社です。グループ経営理念である「わたしたちは 人と食を笑顔で結び いつも信頼される企業グループです」のもと、グループのアセットとネットワークを活用し、食品物流に貢献する3つの事業(共同物流事業、専用物流事業、関連事業)を展開しています。具体的には、全国共同配送、キユーソースルー便(全国小口輸配送システム)、原料輸送、物流センターの運営など、食品物流に関するサービスをワンストップで提供しています

法務部門の組織体制や業務内容について教えてください。

江口様 法務課に5名の社員が在籍しています。私は司法書士事務所を、福山は事業会社を経て当社に中途入社しました。それ以外の3名は新卒で当社に入社し、法務課に配属された社員です。

法務課の業務は契約審査、リスク管理などの予防法務、コーポレートガバナンスコードの対応や企業再編などの戦略法務など多岐に渡ります。契約審査は月50件ほど発生しており、私以外の4名が1次レビュー、私が最終レビューを担当しています。また、通常の業務以外にも、一人ひとりに専門性を持たせるべくそれぞれテーマを設定しています。たとえば福山は法務DXの推進、他の社員は海外を含めたグループ会社に関する業務や、会社のルール作りなどを担当しています。

新たなメンバーにノウハウを伝え属人化を解決するために導入

LegalForceを導入された理由や、導入以前の課題感について教えてください。

江口様 ノウハウの共有が大きな課題でした。法務課は私の入社と同時に発足した部門で、どうしても私に仕事が集まってしまい属人化している状態でした。私のやり方で後輩指導も行っているものの、果たしてそのやり方が本当に正しいのか、疑問を感じていたのです。私は新しいものが好きで展示会などにもよく行くのですが、そこでLegalForceの存在を知りました。AIを使って契約審査を行えるのは面白そうだと思い導入しました。自己流で行っていた契約審査の品質を客観的に評価できるツールとしても期待していました。

福山様 LegalForceを導入した時期は、案件の急増に対応するために、私や新卒社員による法務課のメンバー増強が検討されていたタイミングです。業務の効率化やノウハウの蓄積だけでなく、新メンバーの教育にも活用できると考えての導入だったと聞いています。

江口様 導入にあたって、会社の上層部にもデモを見せて説得しました。業務の工数を大幅に削減できること、これから新たな社員を採用するよりも費用対効果が優れていることなどを数字で説明しました。普段から法務課のパフォーマンスが社内で評価されていたこともあり、ケアレスミスが発生しやすい手作業をLegalForceでカバーし、社員をもっと活躍させることについて、上層部も前向きになってくれました。

案件によって「比較」「自動レビュー」の機能を使い分け

実際にLegalForceを使うときの流れを簡単に教えてください。

経営推進本部 総務部 法務課 福山 亜沙美 様

福山様 自社のひな形を使っているかどうかで審査フローが分かれます。自社のひな形を使っている案件の場合は「比較」機能を使い、審査対象の契約書とひな形の差分を確認します。取引先のひな形を使っている案件や、普段はあまり扱わない契約類型の場合は「自動レビュー」にかけて、一般的な視点をチェックします。アラートを1つずつ確認して、契約書に反映させるかを判断します。

他にも「条ずれチェッカー」や「定義語チェッカー」といった校正機能を使って最終確認を行っています。同じような案件でも、条項間の関係性や、言葉の定義は微妙に異なります。簡単なポイントですが、人間の目視によるチェックではミスが起こりやすいので、ありがたい機能です。

「条文検索」で説得力のある修正案を手早く作成

特に気に入っている機能があれば教えてください。

福山様 「条文検索」をよく使っています。先方が提示した契約書のドラフトに修正を入れたいときに活用します。契約審査の過程で論点になるポイントは似たようなものが多く、例えば免責事項や金銭の支払いに関する取り決めなどが定番です。そうした部分は過去に他の取引先と締結した契約書の言い回しを検索することで、説得しやすい修正案をすぐに作れるようになります。LegalForceはあいまいなキーワードでも検索できるので重宝しています。

条文検索イメージ キーワードを入力すると過去の契約書やひな形から条文を検索できる

江口様 「英文契約書レビュー」も活用しています。当社グループは中国やインドネシアでも事業を行っているため、海外との契約書をチェックすることがあります。一般条項のスクリーニングや、秘密保持契約(NDA)など定型的な契約書のレビューが速くなりました。

事業部に即日でレスポンスできるように

LegalForce導入によって感じている効果を教えてください。

福山様 営業所などの現場へのレスポンスが速くなりました。契約審査は3営業日以内に返答するのが目安で、LegalForceの導入前はそれくらいかかる案件が多かったのですが、導入後はほぼ即日で返せるようになりました。個人の体感としては契約審査のスピードが倍になったと感じています。

江口様 新人の教育に役立てたいという目的も達成できています。LegalForceのレビュー結果を参考に契約書のチェック項目を可視化し、周知できるようになったからです。これを行うことで、チームとしての平均点をあげられていると感じます。ただしより深いレベルで活用するには、当社のポリシーを織り込むことが必要とも感じます。そこは「自社基準レビュー」を使って補っていきたいですね。

また当社がよく扱う契約類型を把握できたのも大きな効果です。扱う機会が多い類型は自社ひな形を作るのですが、これまでは感覚に頼っていました。もちろんExcelの管理台帳などを作れば類型ごとの案件数は分かるのですが、無駄な仕事を作っているような気がして抵抗があります。LegalForceでは「レビュー数レポート」が見られるので、手間をかけずにそれが把握できるようになりました。

レビュー数レポート イメージ ユーザー別や月別でLegalForce上で行われたレビュー数を確認できる

組織の人数が増えるとより深い使い方ができる

LegalForceをどのような企業、法務部にすすめたいですか。

江口様 LegalForceは企業の規模に合わせてそれぞれ活用できると思います。一人法務の会社なら、時間や場所に関係なくレビューを行えることで、業務の負荷や精神的な負担が大きく減るはずです。組織の人数が増えると、メンバー間のスキルのばらつきを平準化する、ノウハウを共有するプラットフォームとして活用するなど、より深い使い方ができるようになります。また、チェック項目について高・中・低などの重要度が設定できるところも、当社で着目したいポイントの選別に使えると思っています。

福山様 法務課の歴史が長い会社におすすめしたいです。一見するとノウハウや知識が十分に蓄積されているように感じますが、それを上手に活用できていない面もあるからです。ベテラン社員に紐づいていた暗黙知を、組織のメンバーで共有する使い方ができます。また、契約審査の作業を効率化する意味では、どのような会社でも使えると思います。1つの業界に長くいると、扱う契約類型や知識が偏りがちですが、LegalForceがあれば客観的な知識を身につけることができます。

(取材日:2023年3月)※掲載内容は取材当時のものです。