契約書の訂正方法は?訂正印の押し方などを例とともに徹底解説

契約書の訂正方法は?訂正印の押し方などを例とともに徹底解説

契約書を作成し、押印も済ませて締結したあと「誤字に気がついた」「文字が抜けていた」と気が付いた場合には、契約書を訂正しなければいけません。訂正方法は、訂正印等を用いて、訂正したことがはっきり分かるようにする方法がとられます。

ただし、この訂正は形式上の軽微な修正のための変更に限られており、契約で合意した内容を変更する際には「変更契約書」あるいは「(変更・修正)覚書」等を作成し、双方当事者で合意したことを文書に残すことが必要です。

本記事では、訂正印の使い方や文字数の記載方法、訂正できない箇所やスペースがない場合の対応などについて具体的に解説します。

契約書の訂正方法は?

契約書は、形式的で軽微な変更のためであれば訂正することが可能です。契約書の書き方については、法律の条文で決まっていることではないため、商慣習上トラブルがないように方法がほぼ確立されています。

トラブルがない方法とは、契約を締結した当事者が合意のうえで訂正をしたこと、そして訂正内容が一目でわかるように訂正しておくことです。

契約書を訂正したい場合は、次のように訂正印と捨印を使う方法があります。具体的にどのように訂正するのか、見ていきましょう。

訂正印を使う訂正の仕方

訂正印を使った訂正の仕方は、訂正箇所に二重線を引き、訂正内容を記載する方法です。文字の追加のみであればVを記入し、Vの上に追加箇所を記載する方法があります。

正)株式会社海山商事(以下、「甲」という)
誤)株式会社海産物商事(以下、「甲」という)

この場合は、誤った記載の「産物」を2本線で消し、その上に「山」と記載します。また、「山」と記載した右横に少しスペースを空けて「二字抹消、一字加入」と記載すると、訂正したことが一目瞭然です。

なお、誤った文字を訂正するときは「訂正」、文字を消すときは「抹消(または削除)」、文字を追加するときは「加入(または追加)」と書きます。

さらに、「二字抹消、一字加入」の記載の右横に訂正印が必要です。訂正印は、契約書に押したものと同じ印鑑を契約書の当事者全員で押しておきます。勝手に誰かが訂正することを避けるためです。

正)株式会社海山商事(以下、「甲」という)
誤)株式会社海川商事(以下、「甲」という)

この場合は、誤った記載の「川」を2本線で消し、その上に「山」と記載して「一字訂正」と記載します。より丁寧にしたい場合は「一字抹消、一字加入」として同様に双方の印鑑を押しましょう。

正)株式会社海山商事(以下、「甲」という)
誤)株式会社海商事(以下、「甲」という)

この場合は、「海」と「商」の間にVを記載し、Vの上に「山 一字加入(または追加)」と追記し、双方の印鑑を押します。

捨印を使う訂正の仕方

捨印は、契約書の余白にあらかじめ押しておくもののことをいいます。契約相手や代理人が訂正できるようにする印鑑です。

1通の契約書が1枚なら、1箇所だけ捨印を押します。複数の枚数からなる契約書であれば、枚数分すべて同じ箇所に捨印を押しておきましょう。

具体的には、捨印を使う契約書の訂正は以下の通り行います。

  1. 訂正箇所に二重線or追加のみならVを記入する
  2. 正しい内容を記載する
  3. 捨印の近くに「〇文字削除」など訂正した内容を記載する

契約書を訂正する上での注意点

契約書を訂正する際には、自分の知らないうちに契約書の内容を改ざんされないよう対策しておくことが重要です。

捨印の場合は勝手に訂正されないようコピーをとっておく

捨印がある場合は、片方の契約当事者が相手方に合意を得なくても訂正できる状態にすることを意味しています。そのため、勝手に訂正や内容の改ざんをされないよう、できる限り利用を避けておくことが無難です。

やむを得ず捨印を利用する場合でも、締結済みの契約書をあらかじめコピーしておく必要があります。コピーをしておけば、知らない間に記載内容を変えられてしまう事態を防ぐことが可能です。

訂正は「簡単な訂正」しかできない

先述のとおり、訂正印・捨印を使っての訂正はあくまでも軽微なものにのみ利用できます。合意内容を変更する際には、変更契約書を交わし、書面で合意の証拠をあらためて作成することが必要です。

変更契約書は、「変更契約書」「変更(または修正)覚書」などのタイトルで作成されますが、タイトルにかかわらず一旦合意した内容を変更することをあらためて合意する契約書は「変更契約書」と呼ばれます。

訂正印と捨印は記名・押印に使用した印鑑と同じものを使用する

訂正印や捨印は、原則記名と押印に使用したものと同じ印鑑を使います。違う印鑑を使うと無効とされるケースもあるので、注意しましょう。

会社間の契約の場合は、社印を押印する手続きが億劫になってしまい、担当者の印鑑で済ませてしまう人も少なくありませんが、印鑑が異なると担当者が勝手に許可なく修正したと疑われる可能性があります。

万が一その契約書関連で裁判が生じた場合、印鑑が異なると訂正が無効とされることもあるので気をつけましょう。

複数人が記名・押印した場合は訂正印も全員分用意する

複数人が記名、押印した契約書なら、訂正した場合の訂正印や押印は全員分必要です。

当事者のいずれかが勝手に変更し、その結果契約書を改ざんしたと主張されないようにするためには、全員の印鑑を押して確認したことの証拠を残す必要があります。

電子契約の場合は覚書を作成する

先述した訂正印・捨印を使って契約書を訂正する方法は、電子契約の場合は使うことができません。

電子署名が施された契約書の電子ファイルを修正することもできないため、たとえ軽微な修正であっても変更(修正)覚書を作るか、改めて新しい内容の契約書を作って締結することが必要です。

契約書の訂正に関するQ&A

最後に、契約書の訂正に関してよくある質問と回答を紹介します。

Q. 契約書の訂正に使用する印鑑は何でもいい?

原則として、契約書に押印した印鑑と同じ印鑑を使うことが必要です。

訂正用や簿記用の小さい印鑑を使うと、訂正の効力が裁判所に提出した場合に認められなかったり、相手方とトラブルになった際に「認めない」と主張されてしまったりする可能性があります。

Q. 訂正印はシャチハタ(ネーム印)でもいい?

シャチハタ(ネーム印)は、印影がどこでも入手可能であり、改ざん等に使われやすいと考えられているため原則は使えません。

重要書類でない場合や、相手方から許可がある場合は使用してもよいことがありますが、契約印もシャチハタを使うことは通常認められないので、できるだけ使わないほうが賢明です。

Q. 契約書に訂正できない箇所はある?

契約書に訂正できない箇所はありません。ただし、訂正できる対象は限られており、簡単で軽微な訂正のみ訂正印・捨印の方法で行うことができます。

契約内容が変わる、項目を追加したいなど合意内容を修正する場合は、訂正印を用いず覚書や変更契約書を結ぶことが必要です。

Q. 訂正内容の記載や押印のスペースがない場合はどうすればいい?

スペースが足りない場合も余白に書くことができるので、訂正印・捨印の押印があれば問題はありません。どこでもいいので、余白に記載しましょう。

横書きの場合は訂正箇所の下→右→左の順番であいているスペースに記入します。縦書きの場合は右→左→上→下の順で空いているスペースに記載してください。

Q. 訂正文字数の数え方は?

〇文字訂正・〇文字抹消(削除)・〇文字加入(追加)など文字数を書く場合には、「¥」「。」「,」など記号も文字数にカウントしてください。

Q. 訂正印は双方ともに必要?

複数人が契約書に記名押印している場合は、全員分が必要です。

つまり、訂正した側もそれを確認する側も、双方ともに訂正印を押さなければなりません。誰かが勝手に訂正したのではなく、全員の合意で訂正したことを証拠として残しておくためです。

Q. 何度でも訂正は可能?

訂正に回数の制限はなく、基本的に何度でも訂正はできます。同じやり方で何度訂正しても問題はありません。

ただし、どこを直したのかや、どう訂正したのかがわからなくなると、トラブルの原因となるので方法には注意しましょう。

訂正箇所の明示(二本線で消す、またはVを記載するなど)、訂正内容の明確な記載(文字数も明示する)、契約当事者全員の押印は何度目の訂正であっても必要です。

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一旦締結した契約書の訂正は、軽微なもののみ認められます。訂正した場合は、当事者が全員修正内容を確認したことがわかるよう、契約書締結の際に使った印鑑を押印しておきましょう。

また、捨印による訂正も可能ですが、必要最小限の場合にとどめておき、捨印を押す場合は締結した契約書のコピーを必ずとっておいてください。後からのトラブル防止に備えることができます。

契約書の訂正も含め、契約書情報とデータを整理してあとから確認しやすくするには、契約書管理サービスを利用すると便利です。契約審査プラットフォーム「LegalForce」なら、契約書データをAIで簡単に管理し、台帳も自動で作成できます。

電子契約もLegalForceと連携している電子契約システム上で締結が可能なので、契約書の訂正を超えて合意内容を変更する際には、変更契約書の締結も素早く行うことが可能です。

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