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法務パーソンとしてのバランス感覚を育てる 新人・若手の成長に一役

法務パーソンとしてのバランス感覚を育てる 新人・若手の成長に一役

LegalForce 総合商社

丸紅株式会社

法務部 企画・開発課 課長補佐 ニューヨーク州弁護士 山本 英龍様 法務部 法務第一課 弁護士 佐々木 花子様

POINT
  • 法務部の新人教育に積極活用 教育水準の底上げに
  • 多様な契約類型に対応した「ひな形」「条文検索」が業務を円滑化
  • グループ企業にも導入 中堅・ベテランの利用も促進


江戸末期に創業し、長い歴史を持つ大手総合商社の丸紅株式会社。トレーディングはもちろん、商社としてのノウハウを活用した事業投資など、幅広い分野で多彩な事業を展開しています。生活産業、素材産業など4つの営業グループ、16の事業本部を持つ同社が、LegalForceをどのように活用しているかや、導入で得られた効果、今後の展開などについて、法務部の山本様と佐々木様に聞きました。

法務メンバーは総勢80名 4つの課で実務を分担

法務部門の組織体制や業務内容について教えてください。

法務部 企画・開発課 課長補佐 ニューヨーク州弁護士 山本 英龍様

山本様 法務部の体制としては、総務課、企画・開発課、法務第一課~第四課と計6つの課があるほか、海外の現地法人にもリーガルチームを置いています。本社だけで60名弱、海外法人を含めて80名ほどが働いています。

総務課は会社組織やコーポレートガバナンスにかかわる諸業務を担当。企画・開発課はリーガルオペレーションを担っています。具体的には、人材開発のほか、リーガルテックの導入やナレッジ共有の仕組みづくりなど、法務の仕事を円滑化し、リスクを減らす取り組みをしています。

法務の実務を行い、実際にLegalForceを使っているのは法務第一課~第四課です。社内にはたくさんの部署があるので、4つの課にそれぞれ担当を振り分けています。各部署の契約審査や社内決裁のほか、法令の解釈についてなどの法務相談を受けています。

DXによる業務効率化の中で出会ったLegalForce

LegalForceを導入された理由や、導入以前の課題感について教えてください。

山本様 当社では、2017年にデジタルトランスフォーメーションタスクフォース(現・法務部 企画・開発課)を設置し、組織として業務効率化を推し進めることになりました。従来、ファイルを整理するなどペーパーレス化には取り組んできましたが、DXによる抜本的な業務効率化が必要だという機運が高まっていたのです。

まずは、クラウドサービスを利用したり、コンサルティングファームを起用したりして、業務の整理・改善に着手。それにとどまらず、さまざまな分野の業務を改善しようと考えていたときに、LegalForceの代表である角田さんと話す機会がありました。当時、アメリカにはすでに契約書レビュー支援ツールがありましたが、日本ではまだ聞いたことがなかったので、「これはおもしろい!」と興味を持ちました。

デモンストレーションを見て、LegalForceの継続利用により契約業務の効率化が図れる可能性を感じ、導入を決めました。日本のリーガルテック業界を盛り上げていけたら、という思いもありましたね。法務部に与えられた予算の範囲で導入が可能でしたし、部長も「新しいことを試して、いろいろなものにチャレンジしたい」という意向を持っていたので、導入はスムーズでした。

論点の重要度がわかり、バランス感覚が身につく

実際にLegalForceを使うときの流れを簡単に教えてください。

山本様 契約審査はもちろん、部内の資料作りなどに役立てているほか、新入社員や若手に積極的にアカウントを渡し、教育的な観点でも活用しています。

当社では、新人には必ず1人インストラクターがつき、マンツーマンで業務を教えていくのですが、会社としては「自ら研究して学んでほしい」という思いもあります。LegalForceなら、自分でチェックしたものをアップロードすれば抜け漏れや論点を示してもらえるうえ、関連情報や解説記事も充実しています。基本的な契約書の内容を新人自ら学んでいくことができますし、論点の重要度がわかるので、法務パーソンとしてのバランス感覚も会得できます。

佐々木様 私は2022年春に入社したばかりで、契約審査のときは毎回LegalForceを使っています。インストラクターの先輩からも丁寧に教えていただいていますが、さらに理解を深めるツールとして、とても助かっています。

法務部 法務第一課 弁護士 佐々木 花子様

最初のうちはどこから検討すればいいかわからなかったのですが、LegalForceの「自動レビュー」は「高」「中」など重要度が表示されるので、優先度をつけて条文を検討できるようになりました。解決ボタンを使うと、全体のうちどれくらい解決できたかがゲージで示されるので、進捗を把握できるのも便利ですね。条ずれや表記ゆれを効率的に確認できる校正機能もよく使っています。

自動レビューイメージ 修正や抜け落ちのアラートがでる

教育の底上げと業務円滑化に効果発揮 グループ会社でも導入進む

LegalForce導入によって感じている効果を教えてください。

山本様 ひとつは、先に述べたような教育的効果です。LegalForceを使うことで若手の教育水準を底上げできたと実感しています。中堅以上の部員にとっても、自分が契約書を審査する前に主だったポイントをLegalForceに示してもらえるので時間短縮が図れますし、業務の円滑化にも力を発揮できると考えています。

部員から反応が良い機能は、「LegalForceひな形」です。総合商社は取引先の業態も扱う契約類型もさまざまなので、和文・英文を含めて日々使えるものが一通り揃っているのはとても助かります。契約合意をするためのベースをつくる際に、ひな形を文例集的に使うこともあります。

ひな形と合わせて、キーワードを入れるだけで迅速に条文をピックアップできる「条文検索」も便利です。特定の条文を探すニーズは多いですし、使えば使うほどナレッジが蓄積されていくのも魅力だと感じています。


当社で効果を実感できたため、グループ会社にも推薦しています。各グループ会社は、より現場に近いビジネスを展開しているのですが、法務部を置いていない場合もあります。契約書自体は多いため、担当者が困って私達に相談してくることもしばしばです。彼らのサポートに役立つと考え、LegalForceをいくつかの会社に推薦しました。これまでに5社ほどが導入に至っています。

LegalForceで未経験分野を補強 中堅以上の部員の利用も促進

今後どのようにLegalForceを活用していきたいですか。

山本様 若手の利用が進むにつれて、経験豊かな中堅以上の部員も興味を示してくれています。彼らには、自分が普段担当していない分野の契約審査にLegalForceを利用することを推奨しています。

法務の全ての業務を知っているという部員は誰もいません。知らない分野、経験していない分野の契約書について、LegalForceのレビュー結果を見て学ぶことは、知識の補強に有効です。とてもポテンシャルの高いツールだと感じているので、今後はアカウントを増やしさらに活用していくことも考えています。

LegalForceをどのような企業、法務部に勧めたいですか。

山本様 我々のような大企業はもちろん、法務部を持たない企業にもメリットが大きいと思います。そうした企業では、総務の方ががんばって契約書を見ても、レビューができずに取引先に丸め込まれてしまう例もあります。LegalForceを使えば契約リスクの洗い出しを支援してくれますし、担当者の技量も高まるはずです。

佐々木様 私と同様、法務の新入社員におすすめしたいです。新入社員の視点から言うと、契約書の重要な部分とそうでない部分のバランスがわかるのがLegalForceの利点です。解説書を一冊読むにも時間がかかりますし、LegalForceを活用すれば、新人が早く一人前になることを手助けしてくれると思います。

今後、LegalForceに期待することを教えてください。

山本様 LegalForceがリリースされたばかりの頃を知っている身からすると、「機能がどんどん増えてすごい!」と思っています。一つ挙げるとすれば、対応可能な契約類型をさらに増やしていってほしいですね。

また、LegalForceを利用する企業が増えていくことを望みます。LegalForceがスタンダードになれば、企業同士がリスクを押し付け合うのではなく、お互いにリスクを保持し合い、フェアに事業に取り組めるようになるはずです。

(取材日:2022年8月)※掲載内容は取材当時のものです。